尋常小学国史 上巻
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ライセンスURI | https://dc.lib.hiroshima-u.ac.jp/da/page/license1 |
所有機関等 | 広島大学 |
タイトル | 尋常小学国史 上巻 |
タイトルヨミ | ジンジョウ ショウガク コクシ |
著者 | 文部省[編](モンブショウ) |
出版年 | 1927, 昭和2 |
出版者 | 日本書籍 |
出版地 | 東京 |
物理サイズ | 23cm, 2, 4, 160, 3p |
所在 | 広島大学図書館 |
コレクション | 教科書コレクション |
説明1 | [時期]国定教科書期 1903(明治36年)~1945(昭和20年) [学科]日本史 [学校制度]尋常小学校 |
説明2 | [解題]1920年(大正9年)以降に発行された第三期国定歴史教科書『尋常小学国史』,1907(明治40)年からの義務教育年限の延長,すなわち尋常小学校の修業年限の6年制に伴い,尋常小学校の第五学年と第六学年までの各学年に対応するように,上巻と下巻が用意された。 この第三期国定歴史教科書は,内容項目のほとんどに人物名を掲げて,それぞれの人物の行動などを中心に記述されているところに,大きな特徴がある。この人物中心の歴史教科書は,以前からの傾向であったが,『尋常小学国史』は戦前の歴史教科書の中でも最も多くの人物が取り上げられていた。本教科書に掲載された人物とは,天皇などの皇族や将軍などの武将が大半を占めており,教科書の本文もその人物にまつわる様々な出来事や,その人物と皇室との関係性を中心に,記述がなされている点が特徴的である。また,本教科書のもう一つの特徴として,江戸末期以降の内容項目において,第一「天照大神」から第四十六「高山彦九郎と蒲生君平」までは,第十九「武家政治の起」を除いて,全て人物名による項目立てとなっているのに対して,第四十七「攘夷と開港」以降は,それまでと一転して,人物ではなく,国家にかかわる歴史的出来事が中心的に掲げられるようになっている。本教科書は基本的には,皇族や武将などの人物と皇室との関係性を中心とした構成を取りながら,近現代についてだけは,国家にかかわる歴史的出来事を重視するという二層構造を採用していた。 第三期国定歴史教科書『尋常小学国史』は,皇室との関係性と人物を中心とした構成を取りながら,近現代についてだけは国家にかかわる歴史的出来事を中心とする二層構造を採用することにより,皇室に対する忠義と武勇でもって国運の発展のために尽くすという国民意識と共に,万世一系の天皇によって統治されている世界的な国家をますます発展させていく必要があるという国家意識の形成を促そうとしていた。そして,本教科書を用いる歴史授業でも,歴史を教授することによる国民意識と国家意識の形成が求められていくこととなった。(解題執筆:永田 忠道) 参考文献 教育史編纂会. 明治以降教育制度発達史. 教育資料調査会, 1964, (第五巻) 唐澤富太郎. 教科書の歴史. 創文社, 1956 永田忠道. 大正自由教育期における社会系教科授業改革の研究. 風間書房, 2006 |
資料番号 | [登録ID]2500025743 [スリップ番号]42110 [請求記号]教科書文庫/4/210/31-1927/2500025743 |