国語読本 高等小学校用 巻二

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所有機関等 広島大学
タイトル 国語読本 高等小学校用 巻二
タイトルヨミ コクゴ ドクホン コウトウ ショウガッコウヨウ
著者 坪内雄蔵(逍遥)著(ツボウチ ユウゾウ (ショウヨウ))
出版年 1900, 明治33
出版者 富山房
出版地 東京
物理サイズ 23cm, 47丁
所在 広島大学図書館
コレクション 教科書コレクション
説明1 [時期]検定教科書期 1886(明治19年)~1902(明治35年) [学科]国語, 読本, 古文, 暗唱, 読み方, 書き取り [学校制度]高等小学校
説明2 [解題]1900(明治33)年に,作家の坪内雄蔵(坪内逍遙)によって編纂され,冨山房から出された国語読本である。冨山房は,この時期教科書の出版に新規参入した出版社で,文豪坪内雄蔵によって画期的な国語読本がいくつか編纂・出版された。坪内雄蔵は,尋常小学校用の『読本 尋常小学生徒使用書』巻一–巻八(明治32年),『国語読本 尋常小学校用』巻一–巻八(明治33年),高等小学校用の本書,『国語読本 高等科女子用』巻一–巻八(明治33年),中学校用の『訂正 中学新読本』巻一–巻八(明治41年),『新撰 国語読本』巻一–巻八(明治44年)に関わっているが,これらの読本の評価は極めて高い。
坪内は,編集に携わる前から国語教科書の編集に関心を持ち,欧米の読本を調査したり,国語読本を対象とした書評や演説の中で,理想の読本のあり方について主張を表明したりしていた。それは,文章の正確さだけでなく,平明さや読み手の興味を惹くような文章表現としての魅力を備えるべきというものであった。上に挙げた一連の読本は,そうした坪内の理想が現実化されたものととらえることができる。
坪内による読本は,上記のような経緯から全体的に「文学的」と評される。高等小学校用の本読本は,尋常小学校用に比べ文語文が中心となっているが,各巻に配された口語文による教材は,敬体から常体の口語に発展しており,内容も童話的内容から実話的内容になっている。
外国に関する教材を多く集めている点も共通した特徴であるが,そうした点では,尋常小学校用より高等小学校用の方にそうした特色が強く現れている。全巻では19教材が欧米由来の教材とされる。巻一に採録された「おしん物語」は,ペローによる「シンデレラ」を出典としたものである。
本読本の後の教科書に対する影響も大きい。外国に関する教材をはじめ,本書に掲載された教材は,この後の教科書にも多く採用されていて,1904(明治37)年からの国定の国語読本にも見られる。(解題執筆:間瀬 茂夫)
参考文献
府川源一郎. 明治初等国語教科書と子ども読み物に関する研究. ひつじ書房, 2014
井上敏夫編. 国語教育史資料巻二教科書史. 東京法令, 1981
資料番号 [登録ID]2000301433 [スリップ番号]30211 [請求記号]教科書文庫/3/810/32-1900/2000301433