中等国語讀本 巻一

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Holder 広島大学
Title 中等国語讀本 巻一
Title pron. チュウトウ コクゴ ドクホン
Author 落合直文編(オチアイ ナオブミ)
Publish year 1902, 明治35
Publisher 三樹一平,明治書院
Publisher address 東京
Physical size 23cm, 4, 124p
Location 広島大学図書館
Collection 教科書コレクション
Description1 [時期]検定教科書期 1886(明治19年)~1902(明治35年) [学科]国語, 読本, 古文, 暗唱, 読み方, 書き取り [学校制度]旧制中学校
Description2 [解題]『中等国語読本』は,国文学者である落合直文によって編纂された中等読本の一つであり,明治期においてロングセラーとなった著名な教科書である。落合読本と呼ばれることもあり複数の改訂が行われている。本書の前身となる教科書に同じく落合による『中等国文読本』があるが,「国文」から「国語」へと変わった理由として古典中心であった教科書を,同時期の教科書と同じように平均的なものとすることで現場の声に応えようとしたのではないかと推測されている。落合は本書の編纂方針を知識の啓発,徳性の涵養,読書力の養成,作文の修練の4つにまとめている。収められている教材は,このような編纂方針により社会の知識を広く扱い,学習者に一般教養を身につけさせることをねらいとしつつ,読むことの力を身につけることや,書くことの手本として利用されることが期待されている。
所収されている教材について落合は,当時の現代文には教材として採用することのできる文章が少なかったと述べ,多くは歴史的な教材を扱っている。また必要に応じて自身で教材を執筆している。
具体的な教材をみると,巻一の冒頭は「憲法發布」から始まっており国家意識啓培の意図が窺える。また,「勸學」(落合直亮)といった詩教材や,「ボアソナード氏を送る詞」(井上毅)などの随筆的な教材もみられる。このほかの複数の教材は,その前身である『中等国文読本』に採録されている教材と重なるものである。また,同時代の人物による教材を多く含んでおり,後に他の教科書においても同様の傾向がみられるようになった。(解題執筆:村井 隆人)
参考文献
井上敏夫編著. 国語教育史資料 第二巻 教科書史. 東京法令出版, 1981
菊野雅之. 落合直文『中等国語読本』の編集経緯に関する基礎的研究―二冊の編纂趣意書と補修者森鴎外・萩野由之. 語学文学. 2015. Vol.54, pp.29-40.
田坂文穂. 「中等国語読本」の研究. 落合直文編. ハマ印刷, 1974
Number [登録ID]2000301967 [スリップ番号]30290 [請求記号]教科書文庫/3/810/41-1902/2000301967