和文読本 巻一

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Holder 広島大学
Title 和文読本 巻一
Title pron. ワブン ドクホン
Author 稲垣千穎輯(イナガキ チカイ)
Publish year 1885, 明治18
Publisher 普及舎・稲垣千穎
Publisher address 東京
Physical size 23cm, 35丁
Location 広島大学図書館
Collection 教科書コレクション
Description1 [時期]検定制度実施以前 1873(明治5年)~1885(明治18年) [学科]国語, 読本, 古文, 暗唱, 読み方, 書き取り [学校制度]尋常小学校
Description2 [解題]明治15年12月初版出版,稲垣千頴編,普及舎刊,明治18年8月再版御届
発行以来,中学校教科書として広く使用された読本である。本書「緒言」には「天皇が詔書にも,假字を交へさせ給ひ,下は天ざかる鄙の蝦夷の賤の子をまでも,まずいろは,五十音,假字單語,などいふものより教へ導かせ給ひて,専ら御國語御國文を用ゐさせ給ふこととなりたる」等書かれていて,多くの人が漢字漢文を「不便」だと思いながら,なかなか「假字」(仮名)を公の場で用いることができなかったのだが、明治の御代になって,「詔書」の用字法から教育内容に至るまで「假字」(仮名)を中心にすることができるようになったという,そのことへの喜びがあらわされている。また,次のような記載もある。「軍記類,其の他,原は片假字してかけるも,今は皆平假字に書きかへて引きたり。さるは,片假字は何となくこちなくかたくるしきを,平假字はこよなくなだらかにて,なつかしきさましたればなり。又原は真字がちにかきなど,初學の輩の,ともすればよみ誤るべく見ゆる處は,多く假字を書き加へたり。見ん人,原書と字様の異なるをないぶかしみそ。」もともと漢字カタカナ交じり文であったものも,本書では漢字ひらがな交じり文にしてあり,ずいぶん読みやすくなっているので,軍記他の原本とはずいぶん違ったものになっているが,あくまでもそれは「初學」の者に親しみやすい読本をめざしたゆえであるという但し書きになっている。(解題執筆:山元 隆春)
参考文献
井上敏夫. 国語教育史資料 第二巻 教科書史. 東京法令出版, 1981
Number [登録ID]2000302158 [スリップ番号]20484 [請求記号]教科書文庫/2/810/31-1885/2000302158