女子讀本 巻之五

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所有機関等 広島大学
タイトル 女子讀本 巻之五
タイトルヨミ ジョシ ドクホン
著者 塚原靖撰(ツカハラ ヤスシ)
出版年 1885, 明治18
出版者 原亮三郎
出版地 東京
物理サイズ 23cm, 47丁
所在 広島大学図書館
コレクション 教科書コレクション
説明1 [時期]検定教科書期 1886(明治19年)~1902(明治35年) [学科]家庭科・家政 [学校制度]尋常小学校
説明2 [解題]『女子讀本』は,明治18年出版の小学校高等科用の教科書である。明治18年は、「小学校令」発布前の学校体制であり,小学校は制度上初等科3年,中等科3年,高等科2年の8年制であった。中学校教則大綱では,中学校への入学資格が得られるのは,小学中等科卒業以上であるとされていたが,明治28年に高等女学校規定が整備された段階で,高等女学校に通う学生の年齢層が小学校高等科の年齢層と重複するという事態が起こっていたことに鑑みると,当時小学高等科が女子教育として重要な役割を担っていたことは指摘することができる。
明治期の女子教育では,一人前の女性として認められるのに必要な,婦徳(女として守らなければならない諸徳),婦言(女としての言葉づかい),婦容(女らしい身だしなみや立ち居振る舞い),婦功(女としての手わざ)を身につけた,いわゆる「良妻賢母」の育成が目指されていた。『女子讀本』には,「文の書き方」(巻之三・第十六課)など,現代の教科概念からすれば,国語として捉えられるものも含まれるが,内容は,極めて実用的で,日常生活に必要な諸般の知識,婦女の守るべき道徳等を,「読書」によって得させる目的で編纂されたものであるといえる。
『女子讀本巻之五』では,第三課「衣服の制」,第十四課「家道訓」,第二十課「貞婦の苦」などが見られる一方,第二九課「アイザック、ニュートン」などからは,欧化主義的な一面もみることができる。(解題執筆:太田 寛士)
参考文献
井上敏夫. 国語教育史資料 第二巻教科書史. 東京法令出版, 1981
倉沢剛. 小学校の歴史Ⅱ小学校政策の模索過程と確立過程. ジャパンライブラリービューロー日本放送出版協会,1965
高野俊. 明治初期女児小学の研究―近代日本における女子教育の源流―. 大月書店,2002
日本女子大学女子教育研究所. 明治の女子教育. 国土社,1967
深谷昌志. 増補 良妻賢母主義の教育. 黎明書房,1966
資料番号 [登録ID]2000039932 [スリップ番号]30289 [請求記号]教科書文庫/3/900/31-1892/2000039932