智慧の環 智慧の環 四編上 名所の巻

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Holder 広島大学
Title 智慧の環 智慧の環 四編上 名所の巻
Title pron. チエ ノ ワ チエ ノ ワ ダイニホンコクヅクシ ノ マキ
Author 古川正雄著(フルカワ マサオ)
Publish year 1872, 明治5
Publisher 古川正雄
Publisher address [出版地不明]
Physical size 23cm, 26丁
Location 広島大学図書館
Collection 教科書コレクション
Description1 [時期]学制実施以前(往来物等) 江戸時代~1872(明治4年) [学科]地理(往来物), 旅, 観光などを含む [学校制度]往来物
Description2 [解題]1870年(明治3年)から1872年(明治5年)にかけて古川正雄によって著された日本最初の教科書のひとつであり,4編上下巻の全8冊から成る。内田楓山の書・八田小雲の絵によって作成されており,日本近代絵本の始まりとも位置づけられている。著者である古川正雄は慶應義塾初代塾長であり,福沢諭吉の弟子である。これらはFURUKAWAのローマ字が配された異装版として1873年(明治6年)に改正再版されており,本コレクションのうち第四編上はこの異装版となっている。同じく古川正雄によって著された『ちえのいとぐち』と並んで,「小学教則」において「綴字」の教科書として取り上げられている。
『繪入智慧の環』全8冊は次のような構成となっている。初編上:詞の巻,初編下:文法概説,二編上:万国尽の巻(世界地理),二編下:文法(母音子音・名詞)修身,三編上:大日本国尽の巻(日本地理),三編下:文法(代名詞・形容詞)窮理,四編上:名所の巻,四編下:文法(動詞)。江戸時代に寺子屋などで広く読まれていた教材を使用する一方で,外国の初等言語教科書の編集方針を採用するなど,新しい学校教育を切り開く糸口となることが意識されていたといわれる。「学制」に先行して作られた教科書のひとつであるが,こうした編集方針・幅広く統合的な内容から,後の「学制」にも強い影響を及ぼしたとされることで高い評価を受けている。
三編上「大日本国尽の巻」は木版刷りの日本地図とともに国名と主要都市がルビ付きで箇条書きのように並べられている。一方四編上「名所の巻」は冒頭で日本史の概要が記された後に日本全国の名所についての案内文が絵図とともに紹介される。四編はそれまでのものと異なり文章で記された「読み物」となっていることは興味深い特徴だといえよう。(解題執筆:中井 悠加)
参考文献
府川源一郎. 明治初等国語教科書と子ども読み物に関する研究. ひつじ書房, 2014
井上敏夫編. 国語教育史資料巻二教科書史. 東京法令, 1981
Number [登録ID]2000302619 [スリップ番号]10553 [請求記号]教科書文庫/1/209/10-1872/2000302619