日本読本 第五

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Holder 広島大学
Title 日本読本 第五
Title pron. ニホン ドクホン
Author 新保盤次著(ジンボ バンジ)
Publish year 1887, 明治20
Publisher 原亮三郎
Publisher address 東京
Physical size 23cm, 60丁
Location 広島大学図書館
Collection 教科書コレクション
Description1 [時期]検定教科書期 1886(明治19年)~1902(明治35年) [学科]国語, 読本, 古文, 暗唱, 読み方, 書き取り [学校制度]尋常小学校
Description2 [解題]1887(明治20)年に,金港堂から出された国語読本である。金港堂は,外部委託の多かった当時の教科書編集にあって,独自の編集体制を確立した。本読本は,新保磐次によって編集され,「日本読本初歩」が第一・二の2冊,「日本読本」が第一から第六の6冊,合計8冊からなる。
「日本読本初歩」には,文字提出や表記に工夫が見られること,「ですます体」が登場するなど談話体を積極的に用いていること,会話文において口語表現やカギ括弧が使用されていることなど,従来の国語初歩教材の性格を受け継ぎながらも,随所に新しい工夫が見られる。
「日本読本」の内容については,第二からは理科的な教材,第四からは地理的教材が多くなり,第六には歴史的教材が多いことが指摘されている。また,教訓的なメッセージを持たない「笑い話」教材が多数載せられていることも指摘される。第五には,こうした「笑い話」として,「鼠ノ智」「雀ノ智」「猿ノ人真似」などの教材がある。
造本という点から,『日本読本』には,木版刷りで,金属の針で用紙を綴じ布地で本の背をくるんだ洋装製本風のものと,和綴じ形式で,活字印刷になっているものとがあると指摘されるが,本図書館の所蔵するのは,後者のものと思われる。
本読本の刊行後,1889 (明治22)年に「都市用」「群村用」の二種類の教科書が続いて作成された。1986(明治19)年の「小学校令」では通常4年の修業年限の尋常小学校に対し,3年で修了できる「簡易科」の設置が認められたが,『日本読本』の「都市用」「群村用」はこれらに対応したというものではなく,地域によって異なる需要に対応するものであった。(解題執筆:間瀬 茂夫)
参考文献
府川源一郎. 明治初等国語教科書と子ども読み物に関する研究. ひつじ書房, 2014
井上敏夫編. 国語教育史資料第二巻教科書史. 東京法令, 1981
Number [登録ID]2000068988 [スリップ番号]30283 [請求記号]教科書文庫/3/810/31-1887/2000068988